ペンギンの趣味部屋

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【ゲーム紹介】言語解読系ゲーム『ヘルメネウスの箱庭』【フリーゲーム】

2024年3月に投稿された白野アールさんの処女作

 フリーゲーム『ヘルメネウスの箱庭』をご紹介します!

 

 

ゲームタイトル絵からも分かる通り、こちらのゲームは

人外である彼と言葉の壁を乗り越えるという、謎解きゲームになります。

 

もう少し詳しく説明すると、獣人である彼の話す言葉を解読しながら、彼との絆を深めていくゲームになります。人外×恋愛×言語解読ともいえるかもしれません。

 

〇あらすじ

 物語は、とある貴重な宝石をきっかけに、山奥にいる獣人たちと人間が戦争を始めたことから始まります。

 言語学者である「私」(主人公)は「言語を使った交渉によって戦争を回避できるのではないか」という目的をもって、捕えられた獣人である「彼」(タイトルにいる彼です)と対話を試みようとします。

 しかし、タイムリミットは戦争の準備期間と同じ90日間。

 この期限内に「私」は「彼」と対話ができるのか。そして、戦争を回避することはできるのか。

 

〇プレイ概要

 プレイ時間 初回クリア約3~5時間、全要素回収まで6~7時間

 ED数    8

  

 END数以外にも途中の選択肢によって、イベントや会話項目が若干変化するようです。ただ判明した言語を引き継げる機能もありますので、一度クリアすると全要素を回収するのは簡単にできるかもしれません。

 

 

 実際にプレイしてみました!

 左の項目「食事」「会話」「行動」から獣人の彼と対話する方法を選択します。

 選択できる内容はゲームを進めていけば変わっていきますし、何も選択できないこともあります。

 そして、選択肢によって増えたり減ったりする会話内容ももちろんあります!

 

 さっそく彼との会話を試みてみました。

 すると、こんな風に彼が話してくれますが、もちろん獣人が話す言語なので、初見の「私」には彼の話している内容がさっぱりわかりません!

 何度も様々なコミュニケーションをとる中で、一つずつ解明していくのです。

 

 ここで青い文字と緑の文字の2種類があることに気づくでしょうか。

 緑の文字は接続詞などで自動で「私」が解読してくれます。さすがは言語学者ですね。

 青の文字は実際にプレイヤーが前後の文章などから推測して入れる言葉です。最初は青の文字が多くて大変ですが、後半になれば推測も簡単になっていくことでしょう。

 

 このゲームの大きな特徴は、正解を当てて解読を進めていくことにあるでしょう。

 例えば、

「◎▽×」という言葉があったとします。コレの意味は「ありがとう」だとしたら、実際に「ありがとう」と解読することで、それ以降の文章には「ありがとう」と表示されるようになります。

何と言っているのかわからなかったので、とりあえず「ごめんなさい」と解読すると入力されず、正解を当てるまで、「◎▽×」のまま表示されることになります。

 つまり、なんとなく、とりあえずが通用しない!

 

 このシステムが難しい!

 

 この手の解読系ゲームは好きなように解釈した言葉を入力できるのがほとんどですが、これは正解を当てるまで終われない。でも、進めていく内にこの難しさがクセになっていくこと間違いなしです。

 

 そしてこのゲームのもう一つの特徴は「ひらめき」です。

 たとえプレイヤーである私たちがわからなくても、「ひらめき(ヒント)」という力を使えば、主人公の「私」がこの言葉はこの意味だ!と閃いて解読してくれるんです。

 なんて頭の良い主人公なのでしょうか。

 「ひらめき」は最初に設定する難易度によって設定できるので、自信のない方はeasyでヒントをたくさん使い、自信のある方はhardを選択するといいでしょう。

 ちなみに、Normalで丁度よく遊べるくらいだと思います。

 

 そして、重要なもう一人の登場人物がこの軍人の彼です。

 主人公の「私」が「言語」で対話でしようとする人物なら、彼は「力」で対話しようとする正反対に位置する人物と言えるでしょう。いや、対話ではなく、獣人を滅ぼすことだけが目的といってもいいくらいの過激な人物です。

 何かと獣人の彼を目の仇にしてきます。そして、獣人の彼と仲良くなっていく主人公にも次第に強く当たってきます。

 しかし、彼にも彼なりの事情と正義があるのです!

 これはプレイをする中で、皆さんの手で解き明かしてみてください。

 

 

 こちらのゲーム、それなりに恋愛要素高めなゲームです。

 ま、イケメンと90日間も一緒に生活するわけですから当たり前ですね。

 プレイ中はドキドキと興奮がとまらないイベントがこれでもか、っていうくらいに散りばめられていますから、是非とも隅々まで攻略してほしいところではあります。

 

 

〇ちょっと不満点

 ここからはプレイしている中で感じた不満点をまとめます。

 (作品を否定しているわけではないので、あしからず)

 

・言葉の判定が厳しい部分がある

 先ほど青い文字は実際に言葉を入力し、正しい意味を当てはめる必要があると言いましたが、こちらの判定が厳しいものがいくつかあって、ほぼ同じような言語を入力しているのに、正解にならない場合があるのです。

 例えば、「いろんな」という言葉があるとしたら、「様々な」や「色々な」という言葉を入力しても正解判定になりません。

 他にも「考え」や「思い」と入力しても成り立ちそうな言葉があっても、別の言葉を入力しなければならないとか…

 

  まぁ、ひらめきを使えば問題ないのですが、やはり「ほぼ同じ意味だったじゃん!」とか「一文字違うだけだったじゃん」が何度かあるとモヤモヤしてしまうんですよね。それでも面白いんですが!

 

・獣人言葉テキストの文字再生スピードが遅い

 実際に文字を入力する場面のシーンは、他のシーンに比べてテキストの表示スピードが段違いで遅くて、スキップなどを使用してもあまり早くなりません。

 また、表示スピードが遅いのに、文字入力コマンドを開いたらもう一度最初から再生されます。一つのテキストページで複数の言葉の解読しなければならないのに、最初からゆっくりのスピードで再生されるので、同じ文章を何度も読まなければならない、早く表示してくれ、の2段階のフラストレーションがたまってしまいます。

 その分の時間も結構かかってしまっていますし、せっかくのスキップ機能が台無しになってしまっているような気がして…。

 これさえ解決すればもっと快適にプレイできると思うんですよね!

 

 (2024年3月時点でVer.1.1だったので、これから色々変更される可能性もあります。)

 

 

 

 

最後に………

 このゲームのタイトル『ヘルメネウスの箱庭』

「ヘルメネウス」とは「国境で異邦人の言語を通訳する人」を意味するそうです。

つまり、ヘルメネウスである主人公「私」と異邦人の「彼」の二人だけの小さな世界を見守るゲームということです。なんともオシャレなタイトルです。

 

 優しいBGMに包まれながら、謎解きをしたい、穏やかな二人の会話を見届けたい、

そんなあなたにピッタリのこちらのゲーム

是非一度プレイしてみてください!